惣右衛門の妻の親縁が祇園感神院(八坂神社)の社家である。(社家とは、神社に世襲的に奉仕する神職の家柄)その縁で、江戸時代から現在まで駒形稚児の稚児宿として、また、行列一行の世話役としてご奉仕を続けている。
7月17日の神幸祭当日、原家がお祓いを受け、祭りの無事を祈願した後、彩戸国中神社(久世)のご神体(八坂神社と同一神の荒御魂)を胸に付けた少年が神の使いの稚児となる。
久世駒形稚児は、神の化身であるため地面に足を下ろさぬよう強力(ごうりき)が肩に担ぎ、白馬の背に届け八坂神社の拝殿回りへ向かう。出発点は今も昔も原了郭の前からなのである。
他の者たちは皆下馬し、拝殿回りを行う中、原家で神となった駒形稚児のみが地に足を下ろすことなく拝殿するのだ。
7月24日の還幸祭で、御神霊を本殿にお遷しした後、駒形稚児は神の化身のまま原家に戻り、ご神体を外して少年に戻り帰っていく。